テスクな風俗は、ひとつの「文化」には違ひないけれども、よろしく戦争によつて破壊すべき文化だと思ふがどうであらう。
上これを行へば下これにならふつもりかどうか、ヂャアナリズムの大部分は、この調子を真似て、もつて戦時色とするのであるから、徒らに安価な流行語をふやすのみで「戦争万歳」と云はぬばかりの軽薄さが全紙に漲り、日本の真の表情は世界の玄関に伝はらないのである。他の民族をして日本怖るべしと感じさせるのは、決してわれわれが好戦的であることではない。たゞ戦に強ければいゝのだ。強い理由が明かなことで十分なのである。わが国民の比類なき象徴への愛を心なく汚さないやうにしたいものである。
夜行軍
この部落でも、桂班長は、例によつて住民を集めた。非常に集りがわるい。逃げたものが多いせいもあらうし、殊に、敵軍の本拠であつたゞけ、わが意を迎へるのに頑なところがあるのでもあらうか?
演説に対する反応も極めて冷やかなやうに思はれた。桂氏もそれを感じて、
「こゝの住民は性がよくない」と憤慨の面もちで、その旨を小川部隊長に報告してゐた。
「よし、そんなら、わたしがやつてみてやらう」
と、部隊
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