的に云へば彗星の如く、而も平凡に云つてしまへば、何のことはない○の如く、出たと思つたら引込み、あると思つたら消えてしまふこれらの劇団は、今や何処にあつて何をしてゐるのか。「やるやる」とばかりにてやらないところだけがそれぞれの特長ででもあることか、「やる」といふにも訳があり、やらなくなるにも事情はあると云へばそれまでだが、今度「やる」と云つても人が信用せず、切符はまたやらなくなつてから買へばいゝなどゝ落ちついてゐられたらどうします。
かう云つて置いて、僕は、新劇なるものゝ上演が、かくまで困難なる理由を考へずにはゐられない。
実は、それは考へるまでもないことだ。
底本:「岸田國士全集20」岩波書店
1990(平成2)年3月8日発行
初出:「演劇・映画 第一巻第一号」
1926(大正15)年1月1日発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志、小林繁雄
2005年9月10日作成
青空文庫作成ファイル:
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