劇作家としてのルナアル
岸田國士
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)息《スツフル》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)皮肉屋|狐主人《メエトル・ルナアル》の
〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔Le Pain de Me'nage〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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劇作家ルナアルは、ミュッセと共に、僕に戯曲を書く希望と興味と霊感とを与へてくれた。彼に就いて何かを言はなければならないなら、僕は寧ろ黙つてゐたい。僕はあまり多く彼に傾倒し、あまり多く彼の芸術に酔つてゐる。
彼は生涯にたつた六篇の喜劇を書いた。小喜劇を書いた。その小喜劇は、偉大なる力を以て舞台を征服した。彼は既に非凡なる戯曲作家の「息《スツフル》」をもつてゐた。
彼は何よりもまづ「魂の韻律」に敏感であつた。
拙訳『葡萄畑の葡萄作り』によつてルナアルを知つた人は、彼が「沈黙の詩人」であることを忘れてはゐないだらう。
「裏面の詩」は無限に
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