』は「新劇には珍らしい非常に面白い悲劇」だとある。名作『殴られるあいつ』が名訳者吉田甲子太郎氏の筆を俟つてきつと非常に面白い舞台効果をあげることゝ信ずるが、それにしても「新劇には珍らしい……」と云はれた「新劇」こそ一言なかるべからずである。

 九日の晩『殴られるあいつ』を見る筈であつたが、『軍人礼讃』を見ての帰途、大雨に遭つて、軍人の恨みか雨の祟りか、四十度近い熱にとりつかれ、遺憾ながらここでその感想を述べる事が出来ない。



底本:「岸田國士全集19」岩波書店
   1989(平成元)年12月8日発行
底本の親本:「我等の劇場」新潮社
   1926(大正15)年4月24日発行
初出:「演劇新潮 第一年第五号」
   1924(大正13)年5月1日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:tatsuki
校正:Juki
2005年11月23日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは
前へ 次へ
全7ページ中6ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
岸田 国士 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング