、この戯曲集の「附記」を読んで、僕は、つく/″\久保田氏の芸術家としての矜持を羨ましく思つた。この矜持は、氏の良心的な仕事の裏づけになつてゐると同時に、その仕事の成果に対する純粋な愛著を透してみられるものであり、そこに、氏の名匠気質がうかびでてわれ/\ははたと自分を省みないわけに行かなくなる。
 久保田万太郎氏は、恐らく現代作家中、最も永く後世に生きる作家の一人であらう。



底本:「岸田國士全集23」岩波書店
   1990(平成2)年12月7日発行
底本の親本:「東京日日新聞」
   1937(昭和12)年6月16日
初出:「東京日日新聞」
   1937(昭和12)年6月16日
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2009年11月12日作成
青空文庫作成ファイル:
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