岸田國士

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)扉《ドア》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)女中|頭《がしら》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)にが/\しく
−−

[#ここから5字下げ]


菅沼るい
京野精一
土屋園子

ある海浜の寂れたホテル

四月のはじめ。晴れた静かな夕刻。
[#ここで字下げ終わり]
[#改ページ]

[#ここから5字下げ]
舞台は、ホールを兼ねただゞつ広い日光室の一隅。――正面、硝子戸を距てて、やゝ遠く別棟の食堂が見え、左手は、庭の芝生へ降りる扉《ドア》。右手、いつぱいに奥へあがる階段――二階は客室である。その階段の降り口から、右へ、玄関へ続く薄暗い別のホール。

窓ぎはに、整然と、椅子テーブルが並び、テーブルには、鉢植の草花。室の中央に、ピンポン台。
階段の横に、大型の電気
次へ
全38ページ中1ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
岸田 国士 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング