第4水準2−88−74]になります。
卯一郎  ※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]になる? ※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]でもいゝといふことになれば……?
津幡  それは、御勝手……。さあ、どうしますか。次の患者を待たしてあるんですが……。
卯一郎  やめときませう。医者の尊厳のために、無駄な手当はよしませう。但し、わたしの命が明日の朝までだなんて一切、誰にも云はないで下さい。あゝ、実に、いゝ気分だ。さよなら、皆さん……。

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医者二人、去る。
[#ここで字下げ終わり]

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卯一郎  (起ち上らうとするが、すぐに倒れる。呼鈴を押さうとしても、手が届かない。そして、その手が、ぐつたりと下に垂れる)おれの……足は……何処へ行つた……。お……お……奥さん……奥さん……。い……い……息が……。

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長い沈黙。
[#ここで字下げ終わり]

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卯一郎  あゝ、夢をみてゐた……。おや、手……手……手がないぞ、手が……。

[#ここから
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