物理學革新の一つの尖端
長岡半太郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)同位元素《アイソトープ》と

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)よく/\測定して
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 二十世紀は物理學革命の時期を畫してゐる。ニゥトン以來二百餘年、多少の波瀾を交へて徐々に進歩して來た物理學は、前世紀の末ごろ大なる障碍に逢うて、遂にその針路を轉換せねばならぬやう餘儀なくされた。
 分子や原子に關する研究は、在來の方法では始末に終へなくなつた。第一の暗礁は輻射に關する法則であつて、波長が短くなるに從つて、エネルギーは著るしく集積してくる結果を、古式の理論は提唱した。しかし實驗はこれに對して反證を擧げた。この思ひ懸けない暗礁を乘り越す手段として、プランク(獨人)は輻射は量子的發作に輻射するものと假定し、舵を操つて見たが、幸に實驗に符合する結果を得た。これが一九〇〇年に
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