つけるために碾割《ひきわり》を少しも混じていない、パンで生活したのである。農民の蒼白い顔や憂鬱な外貌は、その食物の栄養不足を物語った。多くのものは既に死んでいたが、しかし、かかる食事による結果の全部は当時なお現われていなかった。それはおそらく後に至って何らかの伝染病の形で現われることであろう。
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 1)[#「1)」は縦中横] 〔Me'moires de l'Acade'mie de Stockholm, p. 29.〕
 2)[#「2)」は縦中横] 〔Me'moires du Royaume de Sue`de, table xlii.〕
 3)[#「3)」は縦中横] Price's Observ. on Revers. Pay. vol. ii. p. 125.
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 スウェーデンの下層社会がかかる厳しい圧伏を忍ぶ忍耐力は、全く驚くべきものであり、これは、彼らの生存が全く自力に委ねられており、そして彼らは必然の大法則に服しているのであって支配者の気迷《きまぐ》れに服しているのではないと信じているからこそ、生じ得るものである。前述の如くに、たいて
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