制度には、その耕作の自然的進歩を阻害するある事情が確かにある。今日なお若干の煩わしい賦役制度が残存しており、これは一定の土地の所有者が王領のために負担させられるものである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。この国の駅逓は確かに安価で旅行者に便利であるが、しかしその実施のためには農業者は人間の点でも大きな労働の浪費をしなければならぬ。スウェーデンの経済学者の計算によれば、この制度の廃止によって浮く労働だけで、年三〇〇、〇〇〇タンの穀物が生産されるであろうという2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。スウェーデンでは市場が非常に遠く、またそのほとんど必然的な結果として、分業が非常に不完全であるためにも、時間と労力の大きな浪費が生ずる。そしてスウェーデンの農民の間に勤労と活動との著しい不足は何もないとしても、最上の輪作法や土地を施肥し改良する最良の方法についての知識の不足は、確かにあるのである3)[#「3)」は縦中横、行右小書き]。
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1)[#「1)」は縦中横] 〔Me'moires du Royaume de Sue`de, ch. vi. p. 202.〕
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