見出すことの全然不可能なるを、必ずや看取するであろう。しかし人口稠密な国で多数のかかる教区をひとまとめにされると、問題が広くなり、また人の移住する力があるので、吾々の観察は曖昧にされ混乱させられる。吾々は以前には全く明かにわかった真理を見失ってしまう。そして極めて不合理にも、国土の全体は、その各部分の合計とは比較にならぬほどの、人口支持力を有つものの如く、考えてしまうのである。
[#改ページ]

    第二章 スウェーデンにおける人口に対する妨げについて

 スウェーデンは、多くの点において、ノルウェイと類似した状態にある。その人口の中《うち》非常に多くのものが、同一の仕方で農業に従事している。そして国内の大部分では、農業者のために働く既婚の労働者は、ノルウェイの家人《ハウスマン》と同様に、若干の土地を有ってこれで主として生計の資に当てているが、他方、未婚の若い男女は、農業者の家庭で使用人として暮している。しかしながらこうした事態はノルウェイほど完全でも一般的でもない。そしてこの理由と、更にまた国の面積と人口がより[#「より」に傍点]大であり、都市の大きさも職業の種類もより[#「よ
前へ 次へ
全434ページ中22ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
吉田 秀夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング