ェ分の一であり、年結婚は一九二分の一となっている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。かかる比率は、未聞の健康状態と最も異常な予防的妨げの作用を意味するであろう。しかしそれが主として、埋葬簿の脱漏と、結婚の一部が他の教区で行われることとによって、生じたものであることには、ほとんど疑いはあり得ないのである。
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 1)[#「1)」は縦中横] Statistical Account of Scotland, vol. i. p. 167.
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 しかしながら、正確と考えられている記録簿から見ると、地方教区では死亡率は低く、四五分の一、五〇分の一及び五五分の一という比率ですら珍らしくないことがわかる。ウィルキイ氏によるケトル教区の死亡表から計算した生命蓋然率の表によれば、生児の平均寿命は四六・六年1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]という高率であり、そして第一年に死亡するものの比率はわずかに十分の一に過ぎない。ウィルキイ氏は更に附言して、第一巻に発表された三六教区の報告から見ると、生児の平均寿命は四〇・三年であることがわかる、と云っている。しかし、ウェブスタ博士の調査により蘇格蘭《スコットランド》全体につき計算してウィルキイが最終巻に載せている表では、生児の平均寿命はわずかに三一年となっている2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。しかしながらこれは、エディンバラ市の計算をほとんど超過しないから、低きに過ぎるに違いない、と彼は考えている。
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 1)[#「1)」は縦中横] Id. vol. ii. p. 407.
 2)[#「2)」は縦中横] Id. vol. xxi. p. 383.
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 蘇格蘭《スコットランド》の記録簿は一般に極めて不完全に思われるので、わずかに九九教区の報告が、一八〇一年の『人口摘要』に発表されているに過ぎない。そしてこれらの記録簿から何らかの判断が出来るとすれば、それは、極めて異常な健康状態と、極めて低い出生率とを示すものである。一八〇一年におけるこれら教区の人口の総計は二一七、八七三であり1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、一八〇〇年に終る五箇年間の埋葬の平均は約三、八一五、出生は四、九二八である2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。これによって見れば、これら教区の死亡率はわずかに五六分の一であり、出生率は四四分の一であることがわかるであろう。しかし、これらの比率は極めて異常であり、従ってそれが真に近いと考えることは困難である。これをウィルキイ氏の計算と一緒にしてみて、蘇格蘭《スコットランド》における死亡と出生の比率が、英蘭《イングランド》及びウェイルズにつき認められている比率よりも小さいということは、ありそうなこととは思われない。すなわち後者では死亡は四〇分の一、出生は三〇分の一であり、そして出生の死亡に対する比率は、一般に四対三であると認められているように思われる3)[#「3)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] Population Abstracts, Parish Registers, p. 459.
 2)[#「2)」は縦中横] Id. p. 458.
 3)[#「3)」は縦中横] Statistical Account of Scotland, vol. xxi. p. 383. ここに記した英蘭《イングランド》との比較は、第一囘人口実測の当時に関するものである。一八〇〇年以来|蘇格蘭《スコットランド》の死亡率が低減し出生の死亡に対する比率が増大したことは、ほとんど疑いがない。(訳註――この註の文章の部分すなわち『ここに記した』云々以下は、第六版より現わる。)
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 結婚については、推説を下すことは更にいっそう困難であろう。それは極めて不規則に記録されているので、従って、『人口摘要』にはそれについて何の報告も載っていない。私は、『統計報告』Statistical Account からすれば、蘇格蘭《スコットランド》における結婚への傾向は、大体において、英蘭《イングランド》より大きいものと考えるべきであったであろう。しかしこれら両国において、出生及び死亡が、相互に、また総人口に対し、同一の比率を保つ、ということが真実であるならば、結婚比率は著しく相違しているはずはない。しかしながら、予防的妨げの作用がこれら両国において全く等しく、気候の健康度も等しい、と仮定すれば、蘇格蘭《スコットランド》は英蘭《イングランド》よりも都市や工場が少いので、蘇格蘭《スコットランド》では、英蘭《イングランド》と同一の死亡率が生ずるに先立って、まずより[#「よ
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