これを出生または死亡の比率から推算しようと試みた人々によって、過少に見積られたのは、少しも驚くに足りない。最近の人口条令が出るまでは、当然他国と同程度に正確と考えられた我国の年死亡の実際報告が、人口の四九分の一以下となろうとは、何人も想像し得なかったであろう。もしフランスの実際報告に、一七八〇年をもって終る十年間という如き昔でさえも、四九を乗ずるならば、その人口は当時四千万以上ということになろう。年死亡の平均は八一八、四九一であった。Necker, de l'Administration des Finances, tom. i. c. ix. p. 255. 12mo. 1785.
5)[#「5)」は縦中横] Price's Observ.[#「Observ.」は底本では「Obsers.」] on Revers. Paym. vol. ii. note, p. 10. First additional Essay, 4th edit. 特定の教区においては、私信の方がおそらく公けの報告より信頼出来る。けだし一般に、ある程度この問題に興味をもち従って当然正確を期するためより[#「より」に傍点]多くの努力を払う牧師のみが、信頼されるからである。
6)[#「6)」は縦中横] New Observations on Bills of Mortality, table ix. p. 133.
7)[#「7)」は縦中横] 〔Go:ttliche Ordnung, vol. i. c. ii. s. xxi. p. 74.〕
8)[#「8)」は縦中横] Estimate of the Number of Inhabitants in Great Britain.
[#ここで字下げ終わり]
我国のかくも多数の住民を包含しているロンドンの死亡率は、プライス博士によれば、彼がその計算をなした当時に、二〇・七五分の一であり、ノリジでは二四分の一、ノオサンプトンでは二六・五分の一、ニュウベリでは二七・五分の一1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、マンチェスタでは二八分の一、リヴァプウルでは二七・五分の一2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]、等々であった。彼は、年々都市で死亡するものの数は、マンチェスタやリヴァプウル3)[#「3)」は縦中横、行右小書き]、その他の繁栄を極める工業都市で事実見られる如くに、死亡の最も少い年頃の人間の流入による急速な人口増加の結果たる場合を別とすれば、滅多に二八分の一というが如き低率になるものではない、と云っている。一般に彼は、大都市の死亡率は一九分の一4)[#「4)」は縦中横、行右小書き]ないし二二及び二三分の一、普通都市では二四分の一ないし二八分の一、地方村落では四〇分の一ないし五〇分の一である、と考えている5)[#「5)」は縦中横、行右小書き]。
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1)[#「1)」は縦中横] Price's Observ. on Revers. Paym. vol. i. note, p. 272.
2)[#「2)」は縦中横] Id. vol. ii. First additional Essay, note, p. 4.
3)[#「3)」は縦中横] Id.
4)[#「4)」は縦中横] ストックホルムの死亡率は、ワルゲンティンによれば、一九分の一である。
5)[#「5)」は縦中横] Observ. on Revers. Paym. vol. ii. First additional Essay, p. 4.
[#ここで字下げ終わり]
かかる叙述に対しては、プライス博士には都市の不健康を誇張する傾向があるという反対論がなされるかもしれない。しかしこの反対論は、ロンドンに関して重要性を有つだけであるように思われる。右に記された他の諸都市の数字は、彼独特の意見が影響を及ぼし得ない文書から得られたものである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。しかしながら、啻にロンドンのみならず英蘭《イングランド》の他の諸都市やおそらくはまた地方農村もまた、これらの計算の当時には現在より健康状態が劣っていたと信ずべき十分な理由があることを、注意しなければならぬ。ウィリアム・ヘバアドン博士は、プライス博士がそれによってロンドンの生命の蓋然率を計算した一七五九年ないし一七六八年の十箇年間の記録簿は2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]、近年の記録簿よりも遥かに甚だしい程度の不健康状態を示している、と云っている。そして人口条令に基づく報告は、埋葬における大きな脱漏を斟酌しても、我国のあらゆる地方都市や田舎において、従来計算された時よりも遥かに健康状態がよいことを、示している。同時に私は『人口条令の結果に関する諸観
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