A一〇七分の一ないし一一三分の一であると計算している1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。また彼より後の時代に属する統計学者クロオメは、九三分の一と一二二分の一との平均をとり、住民に対する平均結婚比率を、一〇八分の一としている2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。しかしジュウスミルヒが疑問の余地のないほど正確だとしているオランダ人の村落二二の記録簿では、六四人につき一の年結婚があるとなっている3)[#「3)」は縦中横、行右小書き]。これは、平均比率に比べると極めて驚くべき乖離である。私は最初これらの村の死亡率を知らないでこの数字に接した時、大いに驚き、そしてジュウスミルヒが、オランダには職業の数が多く生計を立てる手段が多様であるということで、これを説明しようとするのに4)[#「4)」は縦中横、行右小書き]、ほとんど全く満足することが出来なかった。けだしこの国は久しく同一の状態を続け来ったのであるから、新しい職業や生活資料の何ほどかの増加を期待すべき理由はなく、また旧来の職業や生活資料はもちろん占守済であることは、明かであるからである。しかし、結婚比率が一〇八分の一である場合死亡率は通例三六分の一であるのに、ここではそれが二二分の一ないし二三分の一であること5)[#「5)」は縦中横、行右小書き]が分ったので、この難問は大部分解決されたのである。出生と死亡とはほとんど等しかった。結婚が異常に多いのは、何らかの生活資料が発見されたのによるのではなく、従って何らの人口増加も生み出さなかった。それは単に、死亡によって古い結婚が急速に解消し、その結果として家族を扶養し得べき職業に空席が生じたために、生じたに過ぎないものである。
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 1)[#「1)」は縦中横] 〔Sussmilch, go:ttliche Ordnung, vol. i. c. iv. sect. lvi. p. 126.〕
 2)[#「2)」は縦中横] 〔Crome, ueber die Gro:sse und Bevo:lkerung der Europ. Staaten, p. 88, Leipz. 1785.〕
 3)[#「3)」は縦中横] 〔Sussmilch, go:ttliche Ordnung, vol. i. c. iv. sect. lviii. p. 127.〕 し
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