轤ナある。
 ワルゲンティン氏は、同じ書物に発表されている他の論文の中で、再び、スウェーデンにおいては、生産物の最も豊かな年はまた子供が最も多く生まれる年である、と述べている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] Id. p. 31.
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 もし他の国でも正確な観察が行われるならば、たとえ程度は同じでなくとも同じ性質の差異が現れるべきことは、ほとんど間違いがない1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。スウェーデンについて云えば、この差異は、その人口が極めて有力な増加の傾向を有ち、そしてそれは、啻《ただ》に生活資料の平均的増加が少しでもあれば常にこれに間髪を容れずに追随せんとしているばかりでなく、更に一時的な偶発的な食物増加があるごとに直ちに増進を始め、かくの如くしてそれは絶えず平均的増加を超過しつつあり、そして激烈な窮乏の週期的襲来とそれから生ずる疾病によって抑圧されるものなることを、明かに立証するのである。
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 1)[#「1)」は縦中横] この事実は、英蘭《イングランド》に関し、最近発表された教区記録簿摘要によって、確証された。一七九五年と一八〇〇年とは、結婚及び出生の減少と、死亡の増加とを、特徴としている。
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 しかも、かくの如き不断のかつ顕著な過剰人口の傾向があるにもかかわらず、奇怪至極にも、スウェーデンの政府と経済学者とは、絶えず、人口を、人口を、と要求しているのである。カンツレエルは、政府は外人の国内移住を誘う能力もなく、また出生数を任意に増大する能力もなくして、一七四八年以来、国の人口を増加するに適すると思われるあらゆる手段に没頭している、と云っている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。しかし、政府が実際に外人の移住を誘う能力を有ち、また出生数を任意に増大する能力を有つと仮定して、その結果はどうであろうか。もし外人がより[#「より」に傍点]良い農業制度を導入するのでなかったならば、彼ら自身が飢えるか、またはより[#「より」に傍点]多くのスウェーデン人を飢えさせるかのいずれかであろう。そしてもしも年出生数が著しく増加するならば、その主たる結果が単に死亡率の増加に過ぎないことは、ワルゲンティン氏の表から見て、私には全く明瞭なことと思
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