Oに消費した穀物のほとんど四分の三または三分の二で満足し、足りないところは発明の母たる必要が教える何らかの代用品の使用で補充せざるを得ないのである。私はほとんどと云うが、それはけだし、不作の年には平年よりも輸入がいくらか多くないと考えることは、出来ないからである。ただしカンツレエルの発表した表ではこの種の目につく変化は少しもない。この表によると、最大の輸入が行われたのは一七六八年で、それは穀物五九〇、二六五タンに上っている3)[#「3)」は縦中横、行右小書き]。しかしこの最大の輸入ですら、この国の平均不足額をわずか一五〇、〇〇〇タン超過するに過ぎない。収穫の四分の一または三分の一を補うのに、これが何になろうか。実際全輸入量ですらこの点では問題にならない。
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1)[#「1)」は縦中横] 〔Me'moires du Royaume de Sue`de, table xlii. p. 418, c. vi. p. 201.〕 私はスウェーデン・タンの容量を正確に見出しえなかった。それは我国の一サックすなわち半クオタアよりやや以下である。
2)[#「2)」は縦中横] Id. c. vi. p. 201.
3)[#「3)」は縦中横] Id. p. 418.
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カンツレエルが執筆した当時には、スウェーデンの人口は約二百五十万であった1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。彼は一人当り穀物四タンと見ている2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。この仮定によれば、スウェーデンの年需要は一千万タンであり、従って四、五十万タンの輸入では、二百五十万ないし三百万タンの不足を補うにはほとんど役に立たないであろう。そしてもし平均輸入との差のみを取るならば、スウェーデン人が不作の年に輸入から受ける助けは極めて小であることがわかるであろう。
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1)[#「1)」は縦中横] Id. p. 184.
2)[#「2)」は縦中横] Id. p. 196.
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かかる事態の結果として、スウェーデンの人口は奇妙にあらゆる季節の変動により影響を受けることになる。そして、スウェーデンの記録簿は、出生、結婚、及び死亡が、収穫の状態に応じて増減することを示すという、ワルゲンティン氏の興味ありかつ教えるところのある記述
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