@du monde, ch. iii. p. 217. Cook's First Voyage, vol. ii. p. 244. Missionary Voyage, p. 224.
2)[#「2)」は縦中横] Cook's Second Voyage, vol. i. p. 182, 183.
3)[#「3)」は縦中横] Vancouver's Voy. vol. i. b. i. c. 6. p. 98. 4to.
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オウタハイトで頻々と行われる人身御供《ひとみごくう》は、それだけでこの土人の性格に野蛮という汚点を印するに足るものではあるけれども、おそらくは人口に著るしく影響を及ぼすほど数多くは行われるものであるまい。そして疾病は、ヨオロッパ人との接触により恐ろしく増加したけれども、以前には奇妙なほど軽く、またそれ以後でもしばらくの間は、異常な死亡を示すことはなかった1)[#「1)」は縦中横、行右小書き、「1」が底本では欠落]。
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1)[#「1)」は縦中横] Cook's Third Voy. vol. ii. p. 148.
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かくて、人口増加に対する大きな妨げは、乱交、殺児、及び戦争の三罪悪であることがわかるが、その各々は非常に大きな力で働いているのである。しかしかかる原因が、生命を予防し破壊する上にいかに大きな力をもつとはいえ、それらは常に人口を生活資料の水準に保っていたわけではない。アンダスン氏によれば『この島は極度に肥沃であるにもかかわらず、飢饉はしばしば起り、その際には多くのものが死ぬと云われている。これが季節の不順によるか人口過剰によるか(それは時にはほとんど必然的に起らなければならないが)、または戦争によるかは、私はまだこれを決定することが出来ない。もっとも事の真相は、彼らが、食物が豊かな時でさえこれを非常につつましく用いることから、十分推察することが出来ようが1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。』ウリイティアで酋長と会食した後、キャプテン・クックは、一同が席を立った時に、平民が大勢下に落ちたパン屑を拾いに雪崩れ込んで来て、細かいかけらまで余さず探し廻っているのを見た。彼らのうちのある者は毎日船にやって来、そして殺した豚の内臓を貰うために屠夫の手伝いをした。一般に屑の外はほとんど彼らの手には渡らなかった。キャプテン・クックは曰く、『彼らがあらゆる種類の食糧を極めて注意深く取扱い、そして人間の食い得る物は、なかんずく肉と魚は、少しも無駄にしないことを、認めなければならない2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。』
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1)[#「1)」は縦中横] Cook's Third Voyage, vol. ii. p. 153, 154.
2)[#「2)」は縦中横] Id. Second Voy. vol. i. p. 176.
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アンダスン氏の述べているところによれば、動物性食物は極めて少量しか下層階級のものの手に入らず、しかもそれですら、魚かうにかその他の海産物かである。けだし彼らはほとんどまたは全く豚肉は食わないから。王か主だった酋長だけがこの贅沢を毎日することが出来るのであり、下位の酋長は、その富に応じて、一週か二週か月に一|囘《かい》ずつである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。犬や鶏が戦争や過度の消費によって減少すると、これらの食品に禁令が下され、これは時に数ヵ月または一、二年も施行され、そしてこの期間にこれらは非常に急速に増加し再び豊富になるのである2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。この諸島の重だった人民に属するエアリイオイのものの普通食事でさえ、アンダスン氏によれば、少くとも十分の九は植物性食物からなる3)[#「3)」は縦中横、行右小書き]。そして階級差別が非常に強く定められ、下層階級の人民の生命と財産とが絶対に酋長の意思に依存しているらしいのであるから、これらの酋長がしばしば豊かに暮しているのに、その臣下や僕婢は欠乏に悩むということは、吾々の十分に想像し得るところであろう。
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1)[#「1)」は縦中横] Cook's Third Voy. vol. ii. p. 154.
2)[#「2)」は縦中横] Id. p. 155.
3)[#「3)」は縦中横] Id. p. 148.
[#ここで字下げ終わり]
伝道航海記にあるオウタハイトに関する最近の記録によれば、上記の人口減少の原因は、キャプテン・クックの最後の訪問以来、極めて異常な力をもって働いていることがわかるであろう。この期間一時の間、破壊的な戦争が引続いて頻々と起ったことは、キャプテ
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