れは罪悪によってもたらされ、そしてその結果は窮乏である1)[#「1)」は縦中横、行右小書き、「1」が底本では欠落]。
[#ここから2字下げ]
 1)[#「1)」は縦中横] 罪悪の一般的結果は窮乏であり、そしてこの結果が一行為が罪悪と呼ばれる正確な理由なのであるから、ここでは窮乏という言葉だけで十分であり、両者を用いるのは、余計なことだ、と思われるかもしれない。しかし罪悪という言葉を拒否すると、吾々の言葉と観念とに大きな混乱が起ることとなろう。吾々は特に、その一般的傾向が窮乏を生み出し、従って創造者の命と道徳論者の戒律によって禁ぜられている行為――もっともその直接のまたは個人的の結果においては、それはおそらくその正反対を生み出すであろうが――を、区別したいのである。吾々の一切の情欲の満足は、その直接の結果においては幸福であり、窮乏ではない。そして個人的な場合には、その遠い結果でさえ(少くともこの世においては)おそらく同じ名称の下に属するであろう。両当事者の幸福を増加ししかも何人をも害することなき、婦人とのある私通があったこともあろう。従ってかかる個人的行動は窮乏の部類の下に属することは出来ない。しかしそれでもなおそれは罪悪である、けだし明かな戒律を破る行動は、その個人的結果がどうあろうと、それが窮乏を生み出す一般的傾向ある故に、このように名づけられるのであるから。そして何人も、両性間の私通が社会の幸福を害する一般的傾向を疑うことは出来ない。
[#ここで字下げ終わり]
 これら一切の予防的並びに積極的妨げをまとめた合計が人口に対する直接的妨げをなすものである。そして全生殖力の発揮が許されないあらゆる国においては、予防的妨げと積極的妨げとは反比例的に動かなければならぬことは明かである。換言すれば、その原因の何たるを問わず、自然的に不健康であるか、または大きな死亡のある国では、予防的妨げはほとんど行われないであろう。反対に、自然的に健康であり、予防的妨げが大きな力で働いているのが見られる国では、積極的妨げはほとんど行われず、または死亡は極めて小であろう(訳註)。
[#ここから2字下げ]
〔訳註〕このパラグラフ全部は第三版より現る。
[#ここで字下げ終わり]
 あらゆる国においては、これらの妨げのあるものは、その力の大小こそあれ、絶えず働いている。しかしそれが広く普及している
前へ 次へ
全195ページ中17ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
吉田 秀夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング