ェ経過していることであろう。
 しかし、農業上の改良には二種ある、すなわち、土地の生産力を増加するものと、吾々をして機械の改良によってより[#「より」に傍点]少い労働でその生産物を獲得し得しめるものとである。これら両者は、共に粗生生産物の価格の下落に導く、これら両者は共に地代に影響を及ぼさない。もしそれらが粗生生産物の価格の下落を惹起さないならばそれは改良ではないであろう、けだし、以前に一貨物を生産するに要した労働量を減少することが、改良の本質であり、そしてこの減少はその価格または相対価値の下落なくしては起り得ないからである。
 土地の生産力を増加した改良とは、より[#「より」に傍点]巧妙な輪作、あるいは肥料のより[#「より」に傍点]良き選択というが如きものである。これらの改良は、絶対的に吾々をして、より[#「より」に傍点]少量の土地から同一の生産物を獲得し得せしめる。もし蕪菁《かぶら》の栽培法の導入によって、私が、私の穀物の生産と並んで私の羊を飼い得るならば、羊が以前に飼われていた土地は不要に帰し、そして同一量の粗生生産物がより[#「より」に傍点]少量の土地を用いて得られることになる
前へ 次へ
全691ページ中118ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
吉田 秀夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング