「であろうからである。人口が同一でありそしてそれが増加しなければ、より[#「より」に傍点]以上の穀物量に対する需要はあり得ない。第三等地に用いられていた資本及び労働は、社会にとり好ましい他の貨物の生産に向けられるであろうし、そして他の貨物を造る粗生原料品が、資本を地上により[#「より」に傍点]不利に用いるにあらざれば獲得され得ない場合の他は、――この場合には、第三等地が再び耕作されなければならぬ――地代を引上げるという結果を有ち得ないのである。
 農業上の改良の結果、またはむしろその生産により[#「より」に傍点]少い労働が投ぜられるに至った結果たる、粗生生産物の相対価格における下落は、当然に蓄積の増加に導くべきことは、疑いもなく真実である、けだし資本の利潤は大いに増加されるであろうから。この蓄積は、労働に対する需要の増加に、労賃の騰貴に、人口の増加に、粗生生産物に対する需要の増大に、そして耕作の拡張に、導くであろう。しかしながら、地代が以前の高さになるのは、人口の増加の後のことであり、換言すれば第三等地が耕作されるに至って後のことである。それまでには、地代の積極的減少を伴う所の長い時期
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