「していながら、しかも彼は、なお、結婚数に留意するのが政府の主要義務の一つである、と考えている。彼はアウグストスとトラヤヌスの実例を引用し、そして王公や政治家が結婚比率を一対一二〇ないし一二五から、一対八〇ないし九〇の比率にまで高め得たら、これは彼をして真に国民の父たる名に価せしめるものであろう、と考えている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。しかし、彼自身が与えている事例から見て、久しい間かなり人口が稠密であった国においては、死亡こそが結婚に対する一切の奨励の中で最も有力なものであることが、明かにわかるのであるから、かくの如く結婚数を著しく増加する上で成功を収めた王公や政治家は、おそらく、国民の父たるよりは、その破壊者たる名にふさわしいのである。
[#ここから2字下げ]
 1)[#「1)」は縦中横] 〔Sussmilch, Go:ttliche Ordnung, vol. i. c. iv. sect. lxxviii. p. 151.
[#ここで字下げ終わり]
 年出生の総人口に対する比率は、明かに主として、年々結婚する人間の比率に依存しなければならず、従って大きな人口増加を許
前へ 次へ
全434ページ中95ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
マルサス トマス・ロバート の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング