マヌウの法典の一部分は、明かに、因窮時の考慮に当てられており、そして種々の階級に対しかかる時期に採るべき行為につき指示が与えられている。飢饉と欠乏とに悩む婆羅門のことはしばしば述べられてあり1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、また不浄不法の行為をしたけれど、しかし立法者がそれは窮迫にせまられたのであるから恕すべきものと看做したところの、ある昔の高徳な人格者のことが述べてある。
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 1)[#「1)」は縦中横] Id. c. iv. p. 165 ; c. x. p. 397.
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『アジイガルタは餓死に瀕して、その息子を数頭の牛を得るために売り、もって息子を滅ぼそうとした。しかし彼はいかなる罪過にも当らない。けだし彼は単に飢饉から免れようとしたに過ぎないからである。』
『善悪をよく弁《わきま》えたヴァーマデエヴァは、飢餓に迫られたとき、犬の肉を食べたいと思ったけれども、しかし決して不浄とはされなかった。』
『徳と罪との差別を何人よりもよく知るヴィスワアミトラもまた、餓死しようとしたとき、一人のチョウダアラから受取った犬の腰肉を食う決心
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