にしてみると、印度における人口に対する妨げの中にはおそらく予防的妨げが参加していることであろう。しかし人民の間に広く行われている習慣や思想から見ると、早婚の傾向はなお常に優勢であり、そして一般に一家を養い得る望みが少しでもあるすべての者に結婚を促していると信ずべき理由がある。このことの当然の結果として、下層階級の人民は極貧に陥り、最も質素稀少な生活法を採用するを余儀なくされたのである。この質素という風習は、それが顕著な徳と見做されることによって、更にますます増大し、そしてある程度上流階級にまで拡がった1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。人口はかくして緊密に生活資料の限界に圧迫され、そして国の食物は人民の大多数に、生命を維持し得る最少限度に割り当てられることになったのであろう。かかる事態においては、季節の不順による不作があるごとに、それは最も苛酷な被害を及ぼすこととなろう。そして印度は、当然予想される如くに、あらゆる時代に、最も恐るべき飢饉を経験して来ているのである。
[#ここから2字下げ]
1)[#「1)」は縦中横] Id. c. iii. p. 133.
[#ここで字下げ終わり
前へ
次へ
全389ページ中303ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
マルサス トマス・ロバート の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング