Aかの罪悪と窮乏、及び自然の恵みの不平等な分配の、非常に多くの部分を、数えることが出来よう。
私の云う原因というのは、それに対して備えられた養分以上に増加せんとする一切の生物の不断の傾向のことである(訳註)。
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〔訳註〕マルサスの意識[#「意識」に傍点]においては、第一版の直接目標はゴドウィン、コンドルセエ流の思想の克服であり、その基礎理論として人口理論が用いられたのであるが、第二版以下ではこの基礎理論の説述そのものが主題となっている。このことは第一版と第二版以下各版との冒頭の文を比較すると最もよくわかる。第一版の冒頭は次の如くである。
『近年自然科学上に行われた予想外の大発見、印刷術の拡大による一般知識の普及、教養ある社会や教養のない社会にすら拡がっている熱心不羈の研究心、政治問題に投ぜられた人を眩惑驚倒せしめる著大の新光明、特に火焔の彗星の如くに新生命新気力をもって鼓舞するかまたは地上の畏縮せる住民を焦烙破滅せしめずんばおかぬ政治線上の恐るべき現象たるフランス革命は、すべて相共に多数の有能の士をして、吾々は、最も重大なる変化、ある程度に人類の将来の運命を決す
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