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第一章 問題の要旨――人口及び食物の増加率
社会の改善に関する研究において、当然現れ来たるこの問題の研究方法は次の如くである、――
一、幸福に向っての人類の進歩を在来阻害し来った諸原因を探究すること、及び、
二、将来におけるかかる原因の全的または部分的除去の蓋然性を検討すること。
この問題に十分に立入り、そして人類の改善に在来影響を及ぼした一切の原因を列挙することは、一個人の力では到底出来ないことである。本著の主たる目的は、人類の性質そのものと密接に結びついている一大原因の及ぼす影響を検討するにあるが、これは、社会始って以来不断にかつ有力に働いて来ているにもかかわらず、本問題を取扱った諸論者によってはほとんど注意を払われていないものである。この原因の存在することを証明する事実はなるほどしばしば述べられ認められているが、その自然的必然的結果はほとんど全く看過されている。しかしおそらくかかる結果の中には、あらゆる時代の有智の慈善家が絶えずその是正を目的としたところの
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