「3)」は縦中横、行右小書き]。しかし奴隷をほとんど用いない異教韃靼人の間では、妻を買うことが出来なければ、このことは貧民階級に対ししばしば結婚に対する一つの妨げたる働きをしなければならず、殊に女子の価格が富者間の一夫多妻の慣行によって高められている場合にはなかんずく然りである4)[#「4)」は縦中横、行右小書き]。
[#ここから2字下げ]
 1)[#「1)」は縦中横] Geneal. Hist. of the Tartars, vol. ii. p. 407.
 2)[#「2)」は縦中横] Travels of Wm. Rubruquis, in 1253. Harris Collection of Voy. b. i. c. ii. p. 561.
 3)[#「3)」は縦中横] 〔De'couv. Russ. tom. iii. p. 413.〕
 4)[#「4)」は縦中横] パラスは、カルマック族においては、男性の方があらゆる種類の事故に絶えず曝されているにもかかわらず、女子の少いこと、または男性の過剰なことを、指摘している。〔De'couv. Russ. tom. iii. p. 320.〕
[#ここで字下げ終わり]
 カルマック族は嫉妬深くないと云われており1)[#「1)」は縦中横、行右小書き、「)」が底本では欠落]、そして彼らの間には花柳病の多いことからして2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]、吾々はある程度の乱交が瀰漫していると推論し得よう。
[#ここから2字下げ]
 1)[#「1)」は縦中横] 〔De'couv. Russ. tom. iii. p. 239.〕
 2)[#「2)」は縦中横] Id. p. 324.
[#ここで字下げ終わり]
 従って全体として、牧畜生活の中《うち》本章で考察した部門においては、人口を生活資料の水準に抑止する主たる妨げは、妻を得ることの出来ないのによる抑制、女子に関する悪習、流行病、戦争、飢饉、及び極貧から生ずる疾病、であることがわかるであろう。最初の三つの妨げと最後のものとは、ヨオロッパの北方の牧畜民の間では、これよりも遥かに弱い力でしか作用しなかったことがわかる(訳註)。
[#ここから2字下げ]
〔訳註〕第一版における牧畜状態に関する総括的記述として次の如きものがある、――
第三章――『牧畜民族では地位の不平等が直
前へ 次へ
全195ページ中113ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
マルサス トマス・ロバート の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング