以上の人間と三〇、〇〇〇の馬を失ったが、これは寒さに斃れたのである。』p. 267.
 2)[#「2)」は縦中横] 〔De'couvertes Russes, vol. iii. p. 261.〕
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 旱魃及び不順な季節は、その頻度に比例して、冬と同じ結果を齎らす。アラビアにおいて1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、また韃靼の一大部分において2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]、旱魃は稀《めずら》しいことではない。そしてその周期が六年または八年以上でない場合には、平均人口はかかる不順な時期に土壌が養い得る程度以上に遥かに大になり得ることは決してない。これはあらゆる境遇においてそうであるが、しかしおそらく牧畜状態においては、人間は特に季節の影響を蒙るものであり、そして親家畜の大なる死亡は穀物の不作よりも、更に致命的な、更に長期の影響を残す、害悪である。パラスその他のロシアの旅行者は、家畜の伝染病が、世界のこれらの地方では極めて普通である、と云っている3)[#「3)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] Voy. de Volney, vol. i. c. 23. p. 353.
 2)[#「2)」は縦中横] 〔De'couv. Russ. tom. i. p. 467 ; ii. p. 10, 11, 12, etc.〕
 3)[#「3)」は縦中横] Id. tom. i. p. 290, etc. ; ii. p. 11 ; iv. p. 304.
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 韃靼人の間では家族は常に尊ぶべきものであり、また女子は家畜の監理や家事に関し非常に役に立つものと考えられているのであるから、おそらく、多くの人々が一家を支え得ないという心配から結婚をしないということはなかろう1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。同時に、すべての妻はその両親から買取るのであるから、時にはこの購買は貧民階級の出来ないことであるに違いない。ルブルキス師は、この慣習について、両親はその娘を売ることが出来るまですべて手許に止めておくから、時には彼らは結婚以前に黴《かび》くさくなってしまうことがある、と云っている2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。囘教韃靼人の間では、女の捕虜が妻の代りをするのが常であった3)[#
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