をいう必要がなくなりました。販売部、製品部、仕入部等々一々分業的に秩序正しく整理され、お役所のようだなどと皮肉を言われるくらいになった。しかしそうでもなければ二百七十名の従業員と、一日平均少なくも八千人のお客とを収容しなければならぬ現在、どうも治まりがつかぬ、何かしら規律統制を設けてそれによるほかないのです。
 その面倒な規則を守ってあなた方は正確に出勤する。最も早出は午前三時半までに。冬の朝、この寒天にと私は店の方を思いやり、白い息を吐きながら工場に駆けつける皆さんの姿を眼にえがくのです。次は午前七時、九時、正十二時と数回に別れてそれぞれ出勤し、仕事の終るまでは傍目もふらずに車輪になって活動する。あなた方の働きには森厳といおうか悲壮といおうか、真に言語に絶するものを感じ、私はその尊さに涙が溢れて来るのです。それがどの部も同様で、一人だってのらくらしている者はいない。時々おとくい先から店員が手間どって不都合だとお叱りを蒙るけれど、私はそういうお方に一度あなた方の仕事振りを見て頂きたいとさえ思うのです。
 甲乙のない皆さんの勤労に対して、不公平のない報酬を定めるということは難事中の難事で
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