。百貨店は万事が積極的であるに対し、小商店は消極的である。これを例えるならば、百貨店は大英帝国であり、小売店はあたかも印度の如しとも言えるのである。
 しかし印度にもガンジーの如き英雄があって、なお特別の戦術により、不撓不屈の運動をなして居る。ガンジーの例はやや当を失する嫌いなきにあらざるも、その不撓不屈の精神のみは、我が小商店に良き教訓を垂れると考えてもあえて不当ではあるまい。

    商売は地味にやるべし

 家賃(一ヶ月)は一日の売上げ程度に止むべきだと思います。すなわち一ヶ月売上げの三十分の一つまり売価の三分三厘ということになりますが、百貨店では、だいたいこの標準でやってるようで、成績のいい店ほど、この割合を低減して行くものと見るべきであります。
 よく市内で見かけることですが、あそこの店の売上げはおよそこれこれと見当がつくのに、あれだけの場所であの店構えで、よくやっているなと思うような所は赤字である場合が多い。そうでなければ、その蔭には有力な出資者がいるとか、他に本収入があって、家賃稼ぎだけに店を出しているとか相当の仕掛があるので、もし地方から出て来たばかりのような人でこの
前へ 次へ
全330ページ中97ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
相馬 愛蔵 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング