辺の事情に暗い者が、それらの店を有望として譲り受けでもするならば、意外の結果を見て驚くほかはないでしょう。他に何ら収入のないもので、専らその商業によって生活を立てるという場合には、前記のように一ヶ月の家賃ぐらいを一日に売上げる方針が必要であります。だいたいこの計算によれば間違いはありません。
販売の仕方
私はお得意に対しては、親疎遠近の別なく、いっさい平等に売るべしと主張いたします。つまり正札厳守ということであって、期間を限ってやる特売とか旬末サービス、さては早朝三割奉仕とかいう商略等を絶対に排斥するものであります。
何故いけないか。それは客の身になって考えて見れば判ることである。昨日自分が五円で買った帽子が、今日は同じ店で四円である、これはけしからぬときっと不満に思うに違いない。そしてこれだけはその時だけに止まると思われないで、なあにこの店は正札正札と威張っていても、時季を見てまた特売する時があるのだ、あるいは二流品を一流品のように見せかけて、高い値札をつけてあるから特売が出来るんだと、だんだんその店の信用を落して行くものであります。
ゆえに、店の信用を高むるために
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