りにお客に売るに過ぎないのである。
ところが小売商においては、その道で相当苦労したものが多く、商品の知識にかけてはデパートの売子なんぞと、雲泥の相異である。
この点を一段と力を入れて、お客にサービスしなくてはならない。
例えば呉服商においては、呉服物を売る場合レーヨンが交っているか否か、レーヨンが入っているとしても、このような場合にはなんでもない、むしろこうした向きの使用にはレーヨンの特色を発揮するものであるとか、一々細々と親切に、お客の身になって説明するというふうであれば、お客も自然とついて来る。商品には間違いがない、主人は親切である。などと口から口への宣伝によって、商売が繁昌して来るのは当然である。
日本の商船は、その構造及び速力において、外国商船に遠く及ばない。しかしながら、日本の商船が諸外国の汽船と相対比して行けるのは、要するに日本商船の乗組員が親切で謙遜であるからである。サービスが充分に行き渡る。そこにお客がつく原因があるのである。小売商人もそこを学ばねばならない。
商人道のために惜しむ
百貨店の経営は、そのため、都下一流の商店が着手したものであって、ま
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