間というものはなかなか難しいもので、このコンビネーションは微妙なものがある。勇将の下に弱卒なしというが、天下に稀に見る戦争上手の武田信玄の下には、強い家来が多勢いた。ところが、信玄が死んだら、それらの家来が皆揃っていながら、戦に負けてしまった。これは勝頼が大将になったからである。信玄の生きている頃は信玄と家来との間が間然するところがなく、気が揃っていたから強かったが、勝頼の代になると、家来が勝頼の小父さんみたいな恰好になってしまって、そのコンビがうまく行かなかったから、負けることになってしまったのだろうと思う。
主人は店員をガッチリ抑えて行くためには、思い遣り[#「思い遣り」は底本では「思い遺り」]深く、心から感謝させて働いて貰う行き方と畏怖せしめて働かせる行き方とある。その是非は別として、二代目をして勝頼たらしめないためには主人学を学ばしめる必要がある。
恩給制を樹て店員奨励
昔は小僧さんといえば、ほとんど無給で、冷飯を食わしたものである。その代り、勤め上げれば暖簾分《のれんわ》けをしてくれた。しかし時勢が移って来ると、この暖簾分けということが出来なくなって来た。交通
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