り、この料理屋のみでなく、すべてによい教訓になると思う。いいものは材料から吟味せねばならぬのだから、自家製品のみを売ることが一番安心なわけだ。
店員の素質と主人学勉強
以上は、お客に対して、店全体はどうせねばならぬかということを説いたが、それには主人と店員はどうせねばならぬかを述べなければ、画龍点睛[#「点睛」は底本では「点晴」]のそしりを免れないと思う。
お客のために研究に、研究を重ねて、いいものを真面目に売る、すなわち「誠実と研究」を売るためには、まず店員の素質がよくなければならない。よい素質の店員を快く働かせることが商売の秘訣である。その点、戦争でも商売でも同じだと思う。家康が関ヶ原で敵の過半数の兵で戦いに勝ったのも、素質のいい兵の一致団結にあったと思う。
広告宣伝、店舗等、その上手下手もなかなか大切なことかもしれないが、これらは末の末のことだと私は考えている。優良な店員に気持よく懸命に働いて貰うことが一番肝要なことである。店員の中に横着な幹部や怠ける店員がいれば、現在は何かの事情で盛大に繁昌していても将来は必ず破綻することは必然だろうと思われる。店主と店員との
前へ
次へ
全330ページ中82ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
相馬 愛蔵 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング