所なく、依然学問を万能と心得、職業を軽んじ、遊び半分に朝食前ぐらいの少しの労働で生活したり、学問することの出来る工夫あらんと、空頼みをしているならば、たちまち窮境に陥り、ついには不義理するようになる。悪友が出来る。そして身に一つの職業も学んでいないから、一個の労働者としてまことに価値のないものである。また学問も充分にしていないから、学校出身者と同資格を持って雇口を見出すことも出来ない。つまり虻蜂取らずの無頼漢になり終ってしまわねばならぬ。救世軍のブース大将の話に、印度で学問した青年は従来の職を嫌って始末におえぬとのことである。
小僧と中年者及び小僧の適齢
いずれの町内を見渡しても、小僧入用の木礼の掲げられていない町はほとんど[#「ほとんど」は底本では「ほとんで」]稀である。これ都下において、如何に小僧の欠乏しているかを示すところの一つの証拠である。何故かくの如く小僧の払底を来たしたかというに、ちょうど女中払底とその理由は同じである。貧家の子弟は尋常科も中途で廃業せしめられ、僅かの日雇銭を取るために、工場通いかあるいは役所会社の給仕としてやられるのである。彼らの必竟不了見な
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