な東洋で、日本と同じく東洋民族の国であります。しかしながら、その国を領して居るのは英国であります。ちょっと驚かされたのは香港で、一周二十五哩の香港島を自動車で廻った時、その道路が外務省横の東京一の道路のように立派であった事であります。なおセイロン島においても、コロンボ港から七十何哩奥地のカンディーの仏牙寺に至る道路の如きも砥の如く、このような道路を英領至る所において見受けられます。またこれらの地は御承知の如く熱帯で、ずいぶん凌ぎにくい所でありますが、英国人の住宅は東京あたりでは見受けられないほどの堂々たるもので、庭園にかこまれ実に涼しく造られてあります。そして彼らは自動車を駆ってこの大道路を自由に馳せて居りますが、土地の人達は灼けつくように熱い道をたいがいは裸足で、身には僅かに薄い着物一枚着けただけで歩いている。
 さて、このように英国人等は贅沢をしているが、何故にこれほどの贅沢が出来得るやと考えざるを得ませんでした。
 印度の往昔は世界第一の富んだ国であったというのに、今では世界で最も貧乏の国となった。しかしその生産力は、昔も今も少しも変りなく、やはり昔の通り気候も良く、天産物が豊富
前へ 次へ
全330ページ中221ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
相馬 愛蔵 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング