を本人に負わせなくてはいかんと思う。今までどうも店員を尊重しなかったのがいけないと私は思う。よほどこれは考えなければならない。
学校などでも、先生は生徒を呼びすてにしたり、どなりつけたりするが、学校の先生はああすべきものでないと思っている。私はどんな小さい店員でも呼びすてにしたことはない。
私は、店員にお辞儀をせよということは言わない。それはちっとも苦にもしなければ、いちいち他人行儀に「お早うございます」でもない。と思ったので、ある時新しいコックが、
「お宅のように、お辞儀を御主人にしないのは驚きますね」
と言うから
「どうして」
と言うと、
「他所《よそ》ではとても厳しいですよ」
と言う。
「私はお辞儀をしてもらってもためにならんから、別に言わないのだ」
「でも、お辞儀をする方がいいですな」
と言うから、
「お前、来てどうだい、中村屋《うち》と外でちがったところはお辞儀をしないだけか。」
「そうですね」
「中村屋《うち》では喧嘩をしないことになっているんだが」
「そうですね。中村屋《うち》へ来て一年になりますが、喧嘩を、そういえば見たことがありませんね。」
「これだけいて
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