遊び半分という様では能率は上がりません。
こういう風にすると、製造部、整理部、配達部が調子よく、しかも楽々と仕事がはこぶ。愉快に順序よく仕事が出来るようでなければ、経営がうまいとは言われない。
特価販売などすると、その日だけはよく売れるが、他の日はずっと減る。あまり過重な労働の次には必ず疲労と倦怠が来る。結局差引商売だけの経費が無駄になるわけである。
しかしこれがなかなか難しいことで、ちょっと目先にうまい儲けがあると、つい欲につられて無理なことをする、またせっかく決心したことでも少し思うようにならぬとぐらつく。この邪念をじっと押さえつけて行くだけの腹を持たねばならぬ。私の店へ、よく学校の運動会に売店を出さないかとの話がある。他所の人は喜んで応ずるようだが、私は出来るだけ辞退する。なるほどその日だけは学校の売店では儲けがあるかも知れぬ。しかしそのために無理をし、他の日の能率があがらないために、結局損になってしまう。ましてそのために大切な自分の店の方をおろそかにして、お得意に迷惑をかける様ではなおさらのことである。
繁昌のコツとは何か
良品を廉価に売りさえすれば繁昌する
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