ことにこの希望が多いようである。
 これは店主が早く目覚めて、店員やその父兄に対しては、のれん[#「のれん」に傍点]分けの望みの少ないことを知らせ、時勢に適応する良法を考え、店員の将来をあやまらぬようにせねばならない。これが解決策として私は次の三点をあげる。
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一、のれん[#「のれん」に傍点]分けの望み少なき今日、店員の俸給は出来るだけ多くして、他の社会の標準に劣らぬようにすること。
二、長くその店に働くことを希望する者に対しては、出来るだけの便宜を与えること。
三、店を商売道研究の道場と心がけ、店員の心身を鍛錬するとともに、時勢の進歩に遅れぬよう指導し、退店後立派な商人として独立し得るだけの資格を習得させること。
[#ここで字下げ終わり]
 すなわち、いまは昔のようにのれん[#「のれん」に傍点]分けの希望こそ少なくなったが、人口増加の度を見ても、徳川三百年間に僅かに三割程度であったものが、維新後の七十年間には実に二倍半の増加を見ている。
 そうして時勢とともに万時万端複雑になって、新人活躍の舞台は驚くべき多方面に開けて来ている。従って今日は昔
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