のように型通りの習い覚えでは役に立たず、種々の境遇に応じてこれに順応し得られるよう、心身を錬り、叡智を磨いておかねばならぬのである。
 そしてこの準備と訓練さえあれば今日はかえって昔よりも、新人の活躍に便利であると考えられる。そこで相当の年齢に達したならば独立し得られるよう、商売道の原則と社会に対する一般知識並びに経験を得るように指導して行きたいと考えている。

    店員の小遣いと待遇

 店員に小遣いを一切渡さず、給金の全部を主人が預って、必要に応じて支出するのが、昔からの商店の慣わしである。今日でもいわゆる近江商人の老舗や古い呉服店などにはこの昔ながらのやり方を守っているものがある。で、これをかりに旧式とすると、俸給を毎月全部当人に支払う、すなわち百貨店その他新しい所で行われている方法、これが新式ということになる、次にこの二つの中を取って、一部を主人が預って保管し、他の一部を本人に渡す、この方法は折衷式ともいうべきであろうか。しかしどれにも一長一短はあって、いずれを可とし、いずれを不可とすることは出来ない。
 そこで私の店はどうしているかというと、この折衷式を採っている、高等小
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