一折の菓子にすらずいぶん割高な値段をつけねば引き合わぬし、また引合わぬのを承知でそれをつづけていたのでは、遂に自ら没落の陥穽を掘るようなものです。そこで私の店では、前にも述べたように、一つの営業政策であるとともに、店員待遇の一消極法として、御用聞きを廃したわけです。
住宅手当 老人手当 子供手当
私の店の従業員中、その約三割が通勤者ですが、他はいずれも第一、第二、第三の三寄宿舎に収容しています。そうして通勤、寄宿の如何を問わず、その給与は、固定給と利益配当給の二つですが、なおそれ以外に出来るだけ生活の保障法を講じています。
まずその保障の諸手当をいって見ますと、寄宿を出て一家を構えたものには固定給の三割を住宅手当として支給し、つづいてその家族の中に老人のあるものには老人手当(一人四円)、さらに子供のあるものには子供手当(四円)というのを出しています。それで、一家を構えてしかも老人子供の多い家では、固定本給の十割にも近い特別手当があるわけです。それからそのほかに、家持の者は必ず一日一回は家族と食事を共にする義務を負わすとともに、一月四円ずつ夕食手当というのを支給します。
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