食または晩食に、いつもよりはさらに何かしらの御馳走を必ず出すのです。この際だれ彼はみな本人に対して「やあおめでとう」くらいの挨拶で肩でも叩くのですが、このことが如何に店員相互の親しみをわかせ、忙しい仕事の間に一種のなごみを醸しているか、もとよりこれは店員諸君に対する人格尊重の微志より出たものであって、その結果のみを覗ったものではないのですが、自ずとそこに和気|靄々《あいあい》[#「靄々」はママ]としたものが生れるのです。
鉄拳制裁厳禁
「何々すべからず」「何々を禁ず」といったような規則は何一つない店ですが、古参者と新参の者とが一緒に働くところでは、とかく行われ勝ちな鉄拳制裁、それだけは如何なる場合においても決して許しません。暴力を以て自分より弱い者にいうことをきかせるなどは野蛮の極みです。もし私のこの意を解せず鉄拳を振うものがあったら、残念ながら退店して貰います。
また古い職場の情弊で自然、職長の前に職場員が卑屈になってはいけないと考えますので、人事関係はいっさい私直属にしています。もとより私は一視同仁なのですから、職長に対しても職場員に対しても、絶対に公平であり得ると信
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