費の低減を期してこそ、商店としての信用を博し、商店としての強みを有し、商店としての繁栄を招来することを得るのである。こうした確信の下に、私は私の経営法改善に長い間心がけて来たのである。
製造販売能率の平均
最初に私の店で製造販売をはじめたのは、各種の味付パンであった。ところがいうまでもなく味付パンなるものは、春から夏へかけて沢山に売れるけれども、秋から冬にかけては著しくその売行きを減ずるのである。従って春夏の候はややもすれば不足し勝ちであったその製造能力は、毎年きまり切って秋冬の候に至ってありあまることとなり、同期間の損失空費はすこぶる少なくないのを例とした。そこで私は、これではならぬ、何とか商売の繁閑を平均して、一ヶ年常に全能力を発揮する工夫はないかと考え、ちょうど開業六年目に当る秋の初めから、新しい設備を整えて、餅菓子を売出すことにした。餅菓子は同じ菓子類であっても、パンとちがって、秋から冬にかけて沢山売れ、春から夏にかけて著しくその売行きを減ずるのであるから、パンとは全く反対で、これを兼営するに至ってここに初めて一年を通ずる商売の繁閑平均を求め得、また製造販売の全能
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