あること
[#ここで字下げ終わり]
しかしこの先生の前記の主張にもかかわらず、その店は繁昌せず、僅か三、四カ月にして閉店の悲運に到達してしまった。
私は当時、こういうことは非常に興味を持ったので、開店と聞くやただちに、家内をつれて視察に出かけた。そしてこれはせっかくの先生の勇敢なる試みではあるけれど遠からずして駄目になるだろうと思った。その理由とするところは、
[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]
一、人出の中心から離れている
二、夕日がさす
三、直ぐ近所に有力な競争者がある
[#ここで字下げ終わり]
西陽がさすと、店頭に陳列してある品物が二三日にして変色し、ローズになることが多いのである。
私の予言は不幸にして的中した。新開店に当って最も注意すべき点は、長い間の経験によると、場所がその辺の同業者より勝れているのか、でなければその他の条件で、非常に客を惹きつける力があるのでなければならぬ。
広告は考えもの
世界中での広告の旗頭は米国だ。これは誰でも知っていることだ。その次は日本である。これは考えなくてはならぬことである。
なぜ米国はあんな大げさな宣伝をする
前へ
次へ
全330ページ中12ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
相馬 愛蔵 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング