きの人物とならなくてはならない。
この正札付きの人物にして初めて完全に正札の商売をして模範的商人となることが出来るのであります。
小売商のみじめさ
私は新宿中村屋の相馬愛蔵であります。話が至って下手でありますが、井上先生から、ただ自分のやって居ることを話してくれと云う事でありましたので伺った訳であります。
私は今日の小売商の問題は、帰する所、百貨店対抗問題と考えて居ります。近年急激なる大発展を遂げました東京の百貨店も、その数と申せば僅かに十二、三でこれが市内十四万戸を算する小売商の総売上高の四割を占め、そのためこの小売商の中から、破産者もしくは閉店者を続出せしめて居るのでありますから、これが対抗策を考究することは、我々小売商の刻下の急務かと存じます。
木村先生(増太郎博士)の御話では、百貨店は東京における総売上高の二割四分を占有して居るということでありますが、細密にこれを検討して、建築材料、石材、肥料等百貨店の取扱い得ざるものを除き、現在百貨店が販売している商品のみを採って比較対照しますと、実に総売上高の四割三分を占め、五割七分だけが十余万の小売商に残されているとい
前へ
次へ
全330ページ中101ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
相馬 愛蔵 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング