も世話なし遣はさむにとの事なりしが、その後の事はいかなりゆきけむ。今も上福島村なる淵瀬の住居には、老母ひとり淋しげに留守居して、もの堅き息子の、日毎学校に、通勤するを見るのみなりといへり。
されと岡焼連はいふ。お静は目下同地なるある手芸学校の寄宿舎にあり。これいかで金之介方に嫁入るべき筈ならでやはと。いづれにお静は、色清き世を経るなるべし。(『女学雑誌』一八九六年一二月一〇日)
底本:「紫琴全集 全一巻」草土文化
1983(昭和58)年5月10日第1刷発行
初出:「女学雑誌」
1896(明治29)年10月25日、12月10日
※底本では、文末の日付に添えて『女学雑誌』を示す記号として「*」を用いていますが、『女学雑誌』に直しました。
入力:門田裕志、小林繁雄
校正:松永正敏
2004年9月20日作成
2005年11月4日修正
青空文庫作成ファイル:
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