非道い目に会った事も有りまして、当時は一切其の方面の女には興味を失って居る時でしたが、其の夜は奇妙な事に、十七八の素人と謂《い》う音が魔術の如《ごと》く私の婬心を昂《たかぶ》らせたのであります。十七八の素人か、悪くは無いな、だけど君達の言う事は当にならないんでね、と私は平凡な誘惑に対して平凡な答をしますと、男は慌てて吃り吃り、と、と、飛んでもない、旦那、ほ、ほんものなんでさあ、デパアトの売子なんで、……堪りゃせんぜ、あ[#「あ」に傍点]ったく、サァヴィス百パアセッ[#「ッ」に傍点]トですよ。と掻き立て乍ら相不変《あいかわらず》にやついて居ります。売子だとすると朝は早えな、と訊きますと、へえ、其処を一つ勘弁なすって、何ひょろ、もう一つ職業が有りますんで、と揉手をし乍ら答えます。忙しいこったね、と此方もにやにやし乍ら冷かしますと、男は頭を押えて、へへへへ、此奴も不景気故でさあ、お袋が病気で動きがとれねえんで、そう云う事でもしないてえと――と、答えます。私は益々乗気になって、まさか、お前さんの娘じゃあるまいね、と追及すると、相手は急に間誤間誤《まごまご》し出して、と、と、飛んでもねえ、と、ム
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