共犯者スパルミエント大佐、第三が死体。』
 ガニマール刑事は、こう言いながら、ポケットの中から一枚の新聞を取り出して課長に示した。
『こないだ、あなたがお出でになった時、私は新聞を調べていました。あの時には、今度の事件と何か関係のある記事はなかろうかと思って多くの新聞を探していたのです。ところが、私の予想を満足させる一記事がありました。これを御覧下さい。』
 その新聞にはどんな記事があるのであろう。
(昨夜リイユ屍体陳列所で、屍体が一つ盗まれた。この屍体は前日郵便鉄道で轢死したもので、身元不明の青年であった云々‥‥屍体陳列所では大問題とされている。)
 ジュズイ氏はだまって考えていた。
『君は、これを関係があると思うか?』
『リイユへ行って実否をただしましたが、この記事に少しも間違はありません。その屍体は、スパルミエント大佐が招待会を催した夜盗み出されたもので、一輌の自動車に積まれすぐヴィルダブレ[#「レ」は底本では欠落]イへ運び、その自動車は鉄道沿線に日暮れまでいたそうです。』
『トンネルのあたりなんだね。』
『そうです。』
『すると、そこでスパル[#「ル」は底本では欠落]ミエント大
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