ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)
ヴィルヌーヴ夫人 Madame de Villeneuve
楠山正雄訳

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)商人《しょうにん》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)見|捨《す》てずに

[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(例)ハープシコード[#ここから割り注]ピアノに似た昔の楽器[#ここで割り注終わり]を
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 むかし昔、ある所に、お金持の商人《しょうにん》がいて、三人のむすこと三人のむすめと、つごう六人のこどもをもっていました。商人には、お金よりもこどものほうが、ずっとずっとだいじなので、こどもたちたれも、かしこくしあわせにそだつように、そればかりねがっていました。
 三人のむすめたち、たれも、きれいに生まれついてきているなかで、いちばん末の女の子は、きれいというだけではたりない、それこそ照りかがやくように美しくて、まだ三つ四つのおさな子のときから、ラ・ベル――美《うつく》し姫とよばれていたのが、大きくなるにしたがい、美人ということばは、このむすめひとりのためにあるようになりました
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