くる朝、目がさめると、ラ・ベルは、ちゃんと、いなかのこやに、はこばれて来ていました。父親は、むすめのぶじな顔をみると、病気は、けろりとなおってしまいました。
父親は、さっそく、姉たちをむかえに、人を出しました。姉たちは、それぞれ夫《おっと》とつれ立ってやって来ました。およめに行ったものの、この姉たちは、いっこうたのしくくらしてはいませんでした。ひとりの夫は、いばりやで、みえばかりかざって、ほんとうの愛情《あいじょう》を知らない男でした。もうひとりのほうは、わるくちやで、他人のあらばかりみつけて、よろこんでいるような男でした。それで、姉たちは、死んだとおもった末の妹がぶじでいて、しかも、たべものにもきものにも、なにひとつふそくなく、ゆたかにくらしているようすをみて、ねたましくなりました。それで、どうかして、もう二どと怪獣の御殿にかえられないように、かえれば、すぐとおこられて、くいころされてしまうようにといのって、一週間という約束を、むりやりやぶって、いつまでもひきとめておくたくらみをしました。
さて、その十日めの夜でした。ラ・ベルは、姉たちの、わざとちやほやもてなすなかで、夢をみまし
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