く》のお使だと名のっては、いろいろと狩場《かりば》のえものを、王様へけん上《じょう》しました。そしてそのたんびに、猫吉はお金をいただいたり、お酒を飲まされたり、たっぷりおもてなしをうけるうちに、だんだん王様の御殿のようすが分かってきました。

         三

 ある日のこと、猫吉は、いつものように狩場のえものをけん上しに行きました。すると話のついでに、きょう、王様が美しいお姫さまをつれて、川へ遊びにお出かけになるということを聞きこみました。そこで、猫吉は、さっそくかえって来て、主人に話しました。
「もしもし、だんなが、わたしのいうとおり、なんでもなされば、あなたは、じきしあわせになりますよ。それもたいしてむづかしいことじゃないんですよ。だんなはただ、きょう、川まで出かけて、わたしのおしえるとおりの所へ行って、水をあびていればいいんです。そうすれば、あとはばんじ、わたしがいいようにしますからね。」
 カラバ侯爵《こうしゃく》は、そう聞いても、なにがなんだか、ちっともわけが分かりませんでしたが、なんでもかでも、猫吉のいうとおりにしました。さて、ちょうど猫吉の主人、すなわちカラバ侯爵
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